生まれて2度目の救急車


日付が変わる直前辺りから、とにかく腹が痛い。
大きな波が来ていったん収まったので、その間に寝てしまおうと布団に潜り込んだ。
が、またもや腹部に激痛。吐きそうになるくらいの激痛。(吐かなかったけど)
ついにはどうしようも無くなって、嫁に依頼して救急車を呼ぶ羽目に。


救急隊員が家の中に入ってきたことは覚えてるんだけど、
そっから記憶が途切れ途切れ。次の記憶はもう救急車の中だった。


救急受け入れが空いておらず、4軒ほど病院から断られていた。
4軒目を断られた辺りで隊員の1人が
「仕方がないから湘南にお願いしますか…」
したら他の隊員も「もう仕方がないよね…」
えー、今の言葉すっごい気になるんですけど。


というわけで湘南鎌倉総合病院に搬送されました。


時間は1時ちょうどくらいだった。すぐさま血液の採取、触診が行われた。
痛み止めの点滴を付けて、1時間くらい放置された。


点滴のおかげで痛みはだいぶ和らいだが、放置され過ぎた。
いい加減ストレッチャーから降ろしてほしいと思い始めたころ、
ようやくエコー検査が始まった。


しかし所見ではあまり異常は見られず。
それでも痛いものは痛い。んじゃCT撮りましょうという話になった。
そしてCTが空くまでまた、1時間近く放置…。


ストレッチャーの上で放置されると腰にかなり負担が掛かる。
ようやくCT検査の順番が回ってきた時、医者に「どの辺でしたっけ?」と聞かれて
思わず「腰です」と言っちゃうくらい腰がヤバかった。
(正直この時は痛み止めが効いてたので、あまり腹は痛くなかった)


CTスキャンで輪切りにされたあとも放置。この辺りで午前4時くらいだったと思う。
搬送されてから3時間、検査は3つで処置は痛み止めのみ。
これ今だから思うけど、もっと緊急性の高い病気だったら間違いなく死んでるよな。うん。


あまりに暇だったんで、色々と観察してたんだけど、
ここの救急の勤務医みんな若いわ。いってて28、9歳くらい。
だから判断力が無く、もたもたしてるうちに次の救急患者が運ばれてきて、
そっちを見なきゃならなくなって今の担当患者を放置する、って感じ。


結局、散々放置された揚句、
「今ベッドがいっぱいで入院を受け入れられない」とか言い始め、
痛み止めのおかげで痛みが治まってるだけなのに
「痛くないなら帰ってください」とか言っちゃう始末。


そもそもCTの結果も血液検査の結果も出てないのに、良く平気で帰れとか言うなこいつら。
しかも朝4時だよ電車も走ってねぇよ帰れるかよ。


っていうことを丁寧な口調でやんわりと指摘させていただいた結果、
「そしたら結果が出るまで奥の部屋で休んでいてください」と言われ、
ストレッチャーごと奥の部屋へ。


腰がかなりヤバかったが、気が付いたら1時間ほど寝てた。


6時ごろ、腹痛が再発。良く見たら点滴液が無くなってる。
ナースコールを・・・ってここは病室じゃないのでそんなものなかった。
ちょうどその時、隣に他の患者さんを運ばれてきたので、
運んできた看護師に「点滴が切れたから代えてくれ」とお願いした。


すると「…あー、すいませーん、ぼくたんとうじゃないんでー」などと抜かしおる。
いやいや痛み止めの点滴だし切れたらむっちゃ痛くなってきたし担当どうでもええやろはよ点滴持ってこいカス。
ってことを100倍増しの凶悪な言葉で罵倒したら
「はわわわわわ、ちょちょちょちょちょ、まっさーいい」って言いながらどっか行っちゃった。
(本当にそういう風に言ってた。神経尖ってた時だから良く覚えています。)


はわわわわと言われてから30分、痛みはかなりのものになってきたが、
一向にだれも点滴を持ってくる気配なし。
なのに部屋の奥からは病院職員の談笑が聞こえてくる。
緊急で搬送されてきた病人を放置して笑い話してるとかどういう神経してんだよ。
ほんと自分で立って動けるなら、代えの点滴を貰いつつ説教の1000や2000は投下したかった。


結局、朝になって交代した勤務医が様子を見に来るまで、腹を押さえて悶絶1時間。


7時半ごろ、勤務医が様子を見に来た。とにかく腹が痛いので痛み止めを要求。
んで点滴を代えてもらいつつ先ほどの文句をぶつけると、「…ああ、ね。」って言われた。
何それ。人ごとかよ。どうかしてんじゃねぇの。


痛み止めが効いてくると、今度は腰が痛くなってくる。ストレッチャー降りたい。
たまに様子を見に来る看護師にも散々ベッドに移せと訴えたが、ベッドが足りないの一点張り。
どんだけ野戦病院だよココは。


痛みが消えてる間、寝たり起きたりを繰り返す。
気が付いたらオカンが来てた。時計を見れば昼前11時ごろ。
ってなんでそんなに放置されてんだよ、俺。ココにきて半日経っちゃったよ。


オカンと話してると、勤務医登場。明け方に撮ったCTと血液検査の結果が出たらしい。
たぶん急性の腸炎、もしくは憩室炎ではないかと。
急性腸炎なら点滴投薬でなんとかなるけど、憩室炎なら手術が必要とのこと。
んで、入院させたいところなんですが、先般より申している通り病床が満室なので、
今日のところは帰って頂いて結構ですか? とのこと。


ほうほう。帰れ、と。
今処置しないといけない状況ですよという説明をして、んで帰れ、と。


馬鹿じゃないの。
腰が痛くてストレッチャーから降りたいのに、腹が痛くて立つこともできなくて
しびんで用を足してるのに、帰れと。
点滴切れた途端に腹の痛みが襲ってくるのに、帰れと。


あまりの言葉にショックを受けつつも、このまま帰るのは絶対にあり得ないと伝える。


オカンが昼飯を食いに行ってる時、点滴が切れた。案の定、腹の痛みが再発。
何度か大声で助けを求めたが、いるのかいないのか反応はなし。
あまりの激痛に、この辺りの記憶がまだら。


悶絶してるとき、いつの間にかオカンが戻ってきてたらしい。
んで近くを通る看護師を捕まえて点滴を代えてくれと頼むと、
「忙しいから後で」とか「あとで部屋に行くから」とか言われるが、一向に来なかったらしい。
隣の人のところに(救急ではない、たぶん外科の)医者が集団で現れたので、
1人に点滴の交換をお願いしたところ、担当も医局も違うから看れないと断られ、
オカンこの時点でブチ切れたらしく、だったらお前担当連れてこいや(というニュアンス)と言って、
無理やり担当医を召還させたらしい。


オカンツヨス。

 
点滴も代えて貰って一段落。オカンはいったん帰宅。


しかしまぁ、救急ってのをほぼ初めて見てたんだけど、
患者もなかなかな人たちがいるなぁって観察してました。


ある婆さんが運ばれてきたんだけど、なんか痴呆気味で、
診察中ずっと「エツコさぁ~ん!! 助けてぇぇ~!!」と喚きっぱなし。
んで、見かねた看護師が「だいじょうぶですよ、エツコさんすぐ来ますよー」と話しかけたら
目をカッて見開いて「お前エツコじゃない!! お前はお○んこ!!」と吐き捨ててた。


50代くらいのおっさん。いい歳して急性アル中で運ばれてきた模様。
吐き気が治まらす医師に「何とかしろ殺すぞ!!」などと悪態をつく。
しかし医師が「検査した結果、脳内に少量の出血がありますね」と告げると、
メモ用紙に辞世の句を書き始めた。


色々ありますなぁ…。


オカンとすれ違いくらいで、嫁が登場。
色々と入院グッズを持ってきてもらった。
嫁が居る間はずっと小康状態が続く。
嫁は息子もいるので4時過ぎくらいに帰宅した。


6時前くらいにオカン再登場。
その後、親父、妹と続々と登場。心配掛けてすまぬ。
(親父は俺の顔見て安心したのか速攻帰ったけどw)


だうだ話してると、担当医が再登場。
何とかベッドが空いたので、入院の準備が整いました、とのこと。
その後、細菌検査、レントゲンなど細かい検査を経て、やっと病室へ。