イヤダカエリタクナイタノムノコシテクレココニ

6時起床。

ハワイラストの朝食をシェラトンのレストランでとる。
食欲がない…、本日帰国することが非常にガッカリしているようで…。


食後、名残惜しむように散歩をする。

ビーチ沿いをてふてふ、チーズバーガー・イン・パラダイス付近、

デューク・カハナモク像辺りまで。

そろそろ戻ろうか、とヘコヘコしながら歩いてると、上空に虹。
おおぅ、虹や。ホノルル最後のプレゼントですか、粋なことを。


部屋に戻り、出発準備&最後の片付け。
ちなみにスーツケースは、7時過ぎにポーターが持っていった模様。
時間ギリギリまで、ベランダでワイキキを満喫。

ふとある事に気付く。
…あ、ルームキー(カード)をスーツケースに入れちまった。
既に出れる状態だった嫁さんが、急いでカウンターに向かう。

10分位経っても戻ってこない…、とりあえずもう時間。
すれ違わないことを願いながら、2人分の荷物を抱えて下に降りる。

カウンターに行くと、やっぱりいない。
…すれ違ったか。

暫く待っていたらやっと来た。
結果的にはルームキーは宿泊者にプレゼントらしい。
無駄疲れスイマセン嫁さん…。


I'llのカウンターに嫁さんが戻ってきたことを告げると、
「チェックアウトしました?」
と聞かれる。

…あ、バタバタしててするの忘れた。
してないつったら、
「もう時間がないから、ウチの方で払っておきますから、今ココで払ってください。」
と言われた。

カウンターの人が、ホテルのカウンターにウチらの金額を照会してもらい、
言われた金額を出す。
「オツリ無いようにして下さい。」

…あ、細かいのが足りないよ、25¢足んねぇ。
足りませんと言ったら、
「…んじゃあもういいです、25¢くらいオマケしますよ」

おお、太っ腹。ありがたい事です。
おまけしてもらった上に、よく考えれば、出国の難題・小銭の整理も一気に片付いた。
ありがたいカウンターの人に別れを告げて、バスに乗り込み空港へ向かう。


ヘコヘコしながらバスは空港へひた走る。
ヘコヘコしている俺らを日本へ送り返さんと空港へひた走る。
それは嫌がらせか、それは任務か、はたまたそれは優しさなのか。
真意を隠したまま、空港へひた走る。
とにかく少しでもハワイの景色を目に焼き付けようと、
ずっと外を眺めてる俺らをあざ笑うのか、真っ直ぐ空港へひた走る。

このままこのバスが事故ってしまえば、
俺らが死なない程度の事故を起こしてくれれば、
きっと向こう一ヶ月くらいはいられるのかなぁ。

そんなバカな考えに気付いているのかいないのか、
一つも事故る気配を見せないまま、バスは空港に到着した…。


空港に到着し、真っ直ぐ出国ロビーに通される。
荷物チェック中、後ろの方に嫁さん両親、さらに阿呆3人を発見した。
みんなバラバラにチェックイン受けたのに、何故か席が異常に近い。
FBIかCIAか、俺等が徒党を組んでいるのを知っているのか?

みんなとは一度離れ、荷物チェックの列に戻る。
…やっぱ時間が掛かるなぁ、御時世だから仕方ないけどねぇ。
スーツケース一つ一つ丁寧にチェック。
怪しい影があろうものなら、すぐに呼び出されて中身を総浚い。大変だ。

だんだん俺らの番が近づいてくる。
怪しいものは入っていないがかなり緊張。

そして荷物が通される。
3つの内、2つめで一旦止まる。
おいおい、カンベンしてくれよ。
ドキドキしてると問題無しのサイン。
…ふぅ、嫌やわぁ、もう。気ぃ弱いんやからぁ~。

胸を撫で下ろして、そのまま手荷物検査に向かう。
…すごい人数だよ、時間掛かりそうだ。

そして予想通り、金属探知機まで20分を要した。
やっと手荷物検査の様子が見え始める。
…うわぁ、さっきより手間隙かけてるなぁ…、
3人に1人は引っ掛かってる感じ。
その度、列が止まる。

うんざりしてると空港警備員(無論外人)と目が合う。

ジェスチャーであの有名な、
「ヤレヤレ」
のポーズをしてみる。

警備員、一瞬ニヤリとして同じポーズを返してくれた。
おおっ、なんか嬉しいぞ!
アメリカ人はやっぱこれやるんだ!!

やっと列が動き出し、警備員に手渡されたトレイに手荷物を載っける。
もう国内線の間違いはしまいと、ちゃんと腰時計も外す。
難なく通過。

OKOK、ざっとこんなモンさ、あー疲れた、何か飲もうか嫁さん。
……あれ? 嫁さんは?

あ、検査に引っ掛かってる…。

何かバッグの中身を漁られてるよ、大丈夫かのう…。
暫くして嫁さん解放。良かった。

原因は、家の鍵が何かに見えたらしい。
まぁ係りの人にも丁寧に謝っていただいたみたいですし。
何はともあれ、無事通過。


指定された搭乗ゲートがまだ開いてなかったので、
その前の椅子に座ってると、嫁さん両親が来た。一緒に開門を待つ。
トイレ行ったり買物行ったりして時間を潰す。

いつまでたっても来なかった阿呆3人が、開門前にやっと来た。
やはり手荷物検査に非常に時間が掛かったらしく、
その上T野井は、手荷物内の無修正本を取り出されてショックを受けたらしい。

開門して、中に入ってまた待機。
ゲート内にDFSギャラリアが出店してて、嫁さん達が物色しに行き、
俺はT丸とハワイを名残惜しむ。

ちなみにこの時、ゲートの外で、
俺の両親妹の3人が手荷物検査を終えてゲートの外に来たらしく、
俺の姿に気付いたらしい。
俺は空港の外を見ていて気付かなかった。悪かったねぇ。
ちなみに3人はツアーが違うため、次の便で帰国予定。


搭乗のアナウンスが流れ、順番を待って機内へ。
流石JAL、機内が某アロハ航空とはエライ違いだ、頭ブツけねぇもん。

荷物を片付け、離陸を待つ。

今ならアテンダントさんが、
「うっそーん、この飛行機は飛ばねぇよバーカ!!」
と言っても、むしろ歓迎の意向。


嗚呼、惜しむらくはハワイの全て。
もうハワイを愛していると言っても過言ではない。

いつかまたこの地に足を運ぶことを誓いつつ、
飛行機は無常に、肌寒いであろう日本に向けてフライトを開始した。

さらばハワイ、愛しきハワイ。また来た時も、同じままでいて下さい。